「花まつり」って何?

花まつり

4月8日は「花まつり」

 旧暦4月8日のお釈迦さんの誕生日を祝う法会の事で、灌仏会、仏生会、浴仏会とも称されます。『日本書紀』では推古天皇14年(606)の条に、

「この年より初めて寺毎に、四月八日、七月十五日設斎す」

日本書紀

とあり、お盆とともに日本においての最も古い仏教行事の一つです。またこの法会は12月8日の成道会、2月15日の涅槃会とともにお釈迦さまの三大法会(三仏忌)のひとつとして仏教にとって大切な日です。

 花まつりは種々の花で飾った花御堂に誕生仏を安置し、ひしゃくで甘茶をそそいで仏に供養する法会です。インドに於いても「灌像」(舊雜譬喩經)として行われていた事も知られています。また中国でも佛生日として大明六年(462)に灌仏(浴佛)が行われていたことが『佛祖統紀』などの記録に明らかなところです。

 一方、南方のミャンマーやタイ、スリランカ等では「ウェーサク祭」として、インドでは「ブッダ・プーニマ」として五月の満月の日にお釈迦様の誕生と成道、涅槃を一緒に祝い盛大にお祭りが行われます。これは南方仏教の国々ではウェーサクの月の満月の日に誕生と成道(悟り)、涅槃(入滅)があったとの伝承によっています。

 また中国では浴佛典礼や釈迦牟尼佛生誕祝儀として旧暦4月8日に行われます。これは種々の経典、例えば『修行本起経』、『般泥沍經』などや2世紀頃の仏教詩人馬鳴の『佛所行讃』等によったものです。日本でもこれらの伝承を受け継ぎお釈迦さまの誕生日を4月8日としています。

「花まつり」のいろいろな呼び方

 日本では現在、花まつりとして現在行われていますが、明治の末頃までは佛生会、灌仏会、龍華会、降誕会と呼ばれていました。

 ここの名前について少し説明しておきましょう。

【佛生会】

 文字の通り佛の生まれられた事にちなんだ名前、古い文献に多く出てきます。

【灌仏会(浴仏会)】

 仏像に香湯をそそぐ事からこの名前があり一般的な名前であったようです。

【龍華会】

 これは、少し複雑で、将来、弥勒菩薩がこの世に生まれ龍華樹の下で同じ4月8日に悟りをひらかれるという信仰があり、その日を待つという意味を合わせて、この名前があります。

【降誕会】

 お釈迦様の誕生を降誕(ごうたん)と呼ぶことから言うわけですが、伝承の中に兜率天(とそつてん)からこの世に降って母マーヤの母胎に宿られ誕生されたことにから特にこう呼びます。

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